東京都内で高い人気を誇る早稲田実業学校初等部と聖心女子学院初等科。両校への合格を勝ち取ったご家庭の体験談には、ペーパーテスト対策にとどまらない、子どもの総合的な成長を促す家庭での取り組みや、学校の教育方針への深い理解に基づいた準備の重要性が共通して浮かび上がります。本記事では、複数の合格体験記を基に、それぞれの学校が求める子ども像や、合格に至るまでの具体的な準備や心構えをまとめました。

 

早稲田実業学校初等部

 自ら考え行動する「たくましさ」を育む

早稲田実業学校初等部の合格体験記で多く語られるのは、学力だけでなく、心身のたくましさ自立心の重要性です。試験はペーパーテスト、行動観察、運動能力、そして親子面接と多岐にわたりますが、その全てにおいて、子どもが自分の力で考え、最後までやり遂げる姿勢が評価される傾向にあります。

主な準備と対策

  • 基礎学力と応用力: ペーパーテストでは、話の記憶、数量、図形、推理・思考など幅広い分野から出題されます。特に、単なる知識の暗記ではなく、筋道を立てて考える力が問われる問題が多いのが特徴です。多くのご家庭では、年長になる前から幼児教室に通い、基礎を固めるとともに、応用問題にも粘り強く取り組む練習を重ねています。
  • 生活習慣と巧緻性: 「自分のことは自分でする」という基本的な生活習慣が、試験の随所で見られます。例えば、脱いだ服をきちんと畳む、使ったものを元の場所に戻すといった、日々の丁寧な暮らしぶりが行動観察で評価されます。また、手先の器用さを見る巧緻性の課題もあり、普段から粘土遊びやお手伝いなどを通して指先を使う経験を積んでおくことが大切です。
  • 体力と運動能力: 運動テストでは、指示行動や模倣体操、ケンパー、ボールつきなど、基本的な運動能力が試されます。特別なスポーツ技能は必要ありませんが、先生の指示を一度で聞き取り、正確に体を動かす集中力が求められます。日常的に公園で体を動かしたり、親子で一緒に運動したりする時間を設けるご家庭が多いようです。
  • 面接での自己表現: 親子面接では、お子さん自身の言葉で、自分の経験や考えを話すことが重視されます。「楽しかった思い出」や「好きな遊び」といった質問を通して、子どもの個性や主体性が見られます。家庭内で、子どもの話にじっくり耳を傾け、自分の言葉で表現する機会を多く作ることが、自信を持って面接に臨むための土台となります。海外生活の経験があるご家庭では、そのユニークな体験を願書や面接で効果的に伝えることで、合格に繋がったという声もありました。

ある合格者のご家庭では、年長の春からという比較的短期間の準備だったものの、家庭での生活習慣の見直しを徹底し、「自分のことは自分でやる」ことを深く意識したそうです。また、毎日決まった時間に運動を取り入れ、基礎体力の向上を図ったことも、合格の一因となったと振り返っています。

 

聖心女子学院初等科

家庭の教育方針と親子の絆が鍵

聖心女子学院初等科の合格体験談からは、キリスト教の教えに基づいた教育方針への深い共感と、温かい家庭環境で育まれた子どもの豊かな人間性を重視する姿勢がうかがえます。試験はペーパーテスト、行動観察、運動、そして特徴的な親子面接で構成されます。

主な準備と対策

  • ペーパーテストの傾向: 話の記憶、数量、言語、常識など、幅広い分野から出題されます。特に、生活に根差した常識問題や、言葉の音の数やしりとりといった言語に関する問題が頻出です。問題の指示を正確に聞き取る力が非常に重要とされています。
  • 行動観察での協調性: グループでの共同制作やゲームを通して、お友達と協力する姿勢や、ルールを守って楽しく参加できるかといった社会性が見られます。他者への思いやりや、自分の役割を理解して行動する力が求められます。
  • 親子面接の重要性: 聖心女子学院初等科の入試で特に重視されるのが、親子面接です。面接官から与えられたテーマについて、その場で親子で話し合う時間が設けられるなど、親子の自然な関わり方や、家庭の教育方針が子どもにどのように伝わっているかが丁寧に見られます。「お父様のどのようなところが好きですか」「お母様にお手伝いを頼まれたらどうしますか」といった質問を通して、親子のコミュニケーションの質が評価されます。
  • 日々の体験を通した学び: あるご家庭では、毎日届く野菜のスケッチを続けるというユニークな取り組みをされていました。その中で生まれた「このお野菜はどこで採れたのかな」「自分でも育ててみたい」といった子どもの興味や、八百屋さんと絵の交換が始まったエピソードなどが、面接で家庭の教育方針を具体的に示す豊かな材料となったそうです。このような日々の実体験の積み重ねが、子どもの言葉に深みと説得力を与えます。

合格されたご家庭の多くは、幼児教室での対策と並行して、学校説明会や公開行事に積極的に参加し、聖心の教育理念を深く理解することに努めています。そして、その理念を家庭でどのように実践しているかを、具体的なエピソードを交えて伝える準備をしています。親が学校のファンであることが、合格への熱意として伝わることも少なくないようです。

両校の合格体験記から見えてくるのは、早期からの周到な準備に加え、各校の教育理念を深く理解し、それに沿った形で家庭での教育を実践することの重要性です。そして何より、受験という経験を通して、親子が固い絆で結ばれ、共に成長していく姿が、合格への最も確かな道筋と言えるでしょう。

 

 

 この記事では、東京都渋谷区東京都文京区愛知県名古屋市で幼児教室を運営するジュニアクラブが、有名私立校への合格体験談を基にまとめお伝えしています。

 

                         ジュニアクラブ恵比寿教室