小学校受験における「コロナ前と後で変わったこと」のうち、特に「人とのかかわり方(社会性・協調性)」の評価は、学校側がより重点を置くポイントとなりました。
従来の集団行動での評価に加え、「主体的なかかわり」や「状況に応じた柔軟な対応力」がより深く見られるようになっています。
1. 集団行動の評価軸の変化
感染症対策として、受験生同士の直接的な接触を伴う課題が減った時期もありましたが、現在では、協調性を見るための課題は復活しつつあり、その評価の視点がより鋭くなっています。
| 評価の視点 | コロナ前 | コロナ後(現在)の傾向 |
| 協調性 | ルールを守り、先生の指示に従って皆と同じ行動ができるか。 | 集団の中で、自分から適切な役割を見つけ、行動できるか(主体性)。 |
| コミュニケーション | 自分の意見を言えるか、友達と仲良く遊べるか。 | マスク越しでも相手の気持ちを推し量り、言葉だけでなく表情や態度で伝えられるか(非言語コミュニケーション能力)。 |
| 課題解決 | グループで与えられた課題を共同で達成できるか。 | 予期せぬ状況や時間制限の中で、冷静に他の子と協力し、試行錯誤できるか(柔軟性とレジリエンス)。 |
つまり、ただ「仲良くする」だけでなく、「自律性」と「他者への配慮」を両立できるかが見られています。
2. 非認知能力・自己調整能力の重視
コロナ禍での休園やオンライン生活を経験したことで、子どもたちが集団から離れた状況でどう過ごし、自分でどのように感情や行動をコントロールしていたかという側面に、学校側は着目しています。
- 自己調整能力(セルフ・コントロール):「待つ時間」が増えたことで、すぐに飽きたり癇癪を起こしたりせず、落ち着いて待機できる力がより重要になりました。
自分の感情を適切に処理し、大人の助けなしに次の行動に移れる切り替えの早さも評価されています。
- 家庭でのかかわり方の評価:休園中など、保護者が子どもとどのようにかかわり、学習や遊びの習慣を保ったかという点が、面接でより詳しく問われるようになりました。これは、学校と協力して子どもの成長を支えられる、家庭の教育力を測るためです。
3. 家庭でできる「かかわり方」の対策
試験の形式が変わっても、問われる能力の土台は「日々の生活」で培われます。
家庭での実践ポイント
「課題解決型の遊び」の導入
- 折り紙やブロック、パズルなどで「どうしたらできるだろう?」**と問いかけ、子どもに解決策を考えさせる機会を増やします。
- 簡単なルールのあるゲーム(トランプ、ボードゲームなど)を通じて、ルールの遵守と勝敗を受け入れる経験を積ませます。
非言語コミュニケーションの意識
- 家で話すときも、「相手の目を見る」「身振り手振りを交える」「言葉のトーンを意識する」ことを意識して教えましょう。マスクをする機会が多い現在、顔の表情だけでなく、態度で気持ちを伝える訓練が特に重要です。
自立を促す役割分担
家庭内で役割(例:食事の配膳、洗濯物を畳むなど)を与え、最後までやり遂げる習慣をつけさせます。これは、集団の中で自分の役割を見つけ、責任感をもって行動するための基礎になります。
コロナ禍を経て、小学校受験は、「どれだけ準備したか」よりも「人間としてどれだけ自立し、周りの人と協力して生きる力が備わっているか」という、本質的な人間力を問う傾向が強まっています。
ジュニアクラブでは、受験を見据えた指導を行うと同時に「人とのかかわり方」や「自分の意見を人に伝える」ことを大切に行っています。自己判断能力など瞬時の対応能力を身に付けていきます。
ぜひ一度ご体験にお越しください。
ジュニアクラブ恵比寿教室