東京農業大学稲花小学校は、そのユニークな教育方針と充実した学習環境から、小学校受験を目指す家庭の間で絶大な人気を誇っています。ここでは、その人気の理由、合格するために必要なこと、そして実際に合格した家庭の体験談をまとめてご紹介します。

 

 

<なぜ人気?特色ある教育内容>

 稲花小学校の人気の背景には、他の私立小学校とは一線を画す特色ある教育があります。

 

~「食と農」を軸とした体験型学習~

 東京農業大学の附属校という強みを最大限に活かし、「稲花タイム」と呼ばれる独自の体験型授業を豊富に設けています。田植えや稲刈り、野菜の栽培・収穫といった農業体験や、大学の研究施設を利用した専門的な学びの機会が豊富に用意されており、子どもたちの探究心を育みます。

 

~充実したアフタースクールと給食~

 共働き家庭に配慮し、最長で午後7時まで預かり可能なアフタースクールを完備しています。また、校内の厨房で手作りされる給食は、食育を意識した多彩なメニューが提供され、保護者からも高い評価を得ています。

 

~伝統と革新を重んじる教育~

 1年生からの英語教育やプログラミング学習など、先進的な教育を取り入れつつも、日本の伝統文化に触れる機会も重視しています。これにより、国際社会で活躍できる豊かな人間性を育むことを目指しています

 

~内部進学の道~

 卒業後は、一定の基準を満たすことで系列の東京農業大学第一高等学校中等部への内部進学が可能です。大学までの一貫した教育環境が整っている点も、多くの家庭にとって魅力となっています。

 

~合格への道のり:入試のポイント~

 人気校であるため、稲花小学校の入学試験は高い競争率となることで知られています。合格を勝ち取るためには、入念な準備が不可欠です。

 

<考査内容>

 入学試験は主に「ペーパーテスト」「行動観察」「運動テスト」「親子面接」で構成されています。

 

ペーパーテスト

「お話の記憶」「数量」「図形」「常識」「言語」など、幅広い分野から出題されます。問題の難易度は高く、思考力や推理力が問われる問題も多いのが特徴です。特に、農業大学の附属校らしく、植物や昆虫、食べ物に関する「理科的常識」を問う問題が頻出です。

 

行動観察

  数人のグループで協力して課題に取り組む様子が評価されます。指示を正しく理解し、他者と協調しながら課題を遂行できるかといった、社会性やコミュニケーション能力が重視されます。

 

運動テスト

 基本的な運動能力が試されます。指示に従って正確に体を動かせるかがポイントとなります。

 

面接試験

 子どもへの質問だけでなく、保護者への質問も多岐にわたります。志望動機や家庭の教育方針、子どもの長所や短所などについて問われるほか、近年では親子で絵本を読むといったユニークな課題も出されています。

 

<合格の鍵>

 合格のためには、以下の点が重要になります。

 

~幅広いペーパー対策~

 苦手分野を作らず、全ての領域で安定して高得点を取れるよう、計画的な学習が求められます。

 

~「稲花小学校らしさ」への理解~

 学校説明会や公開行事に積極的に参加し、学校の教育方針や求める児童像を深く理解することが不可欠です。面接や願書作成において、その理解を示すことが重要となります。

 

~家庭での体験~

 机上の学習だけでなく、日頃から自然に親しんだり、お手伝いをしたりするなど、実体験を通して学ぶ機会を多く持つことが、ペーパーテストの常識問題や行動観察での対応力に繋がります。

 

<合格体験記から学ぶ>

実際に合格した家庭からは、以下のような声が聞かれます。

 

~ペーパー対策の徹底~

 「過去問だけでなく、様々な問題集に取り組み、応用力を身につけました。特に理科的常識については、図鑑を読んだり、実際に生き物を観察したりする時間を大切にしました。」

 

~面接練習の重要性~

  「幼児教室の先生に面接官役をお願いし、何度も練習を重ねました。親子で学校の魅力を語り合ったり、教育方針について考えを深めたりしたことが、本番での自信に繋がりました。」

 

~日常生活での心がけ~

 「挨拶や返事、正しい姿勢といった基本的な生活習慣を身につけることを常に意識していました。行動観察では、そうした普段の姿が見られていると感じました。」

 

東京農業大学稲花小学校は、独自の教育理念のもと、これからの社会で必要とされる「生きる力」を育むことを目指しています。その魅力に惹かれる多くの家庭が受験に挑むため、合格への道は決して平坦ではありません。しかし、学校への深い理解と、親子一丸となった地道な努力を重ねることで、合格の可能性は着実に高まるでしょう。